そもそもしつけとは?
「日本大百科全書」によると、しつけとは日常生活での行儀作法や生活慣習の型を身につけさせることと定義されています。現在ではおもに家庭内での初期教育を指すことが多いです。
一方、以前は乳幼児期における行基作法や初期教育にとどまらず、「性質をたわめ、直しつつ一人前に育てる」「教えるのではなく実地に立ったうえで欠点を矯正する」という意味を持っていました。着物の着崩れを防ぐための「しつけ糸」や将来独立を約束する代わりに幼少期より無償で働く「しつけ約束」は、後者の意味から由来しています。
また、しつけの漢字「躾」は日本で作られた国字であり、「武士にふさわしい上品な立ちふるまいを授け、身構えを美しく保つ」意味から作られたといわれています。
上記のように「日常生活での行儀作法や生活慣習の型を身につけさせること」をどうやって教えていくのか・・・
簡単なようで難しいと感じる方が多いと思います。
しつけには「褒めるしつけと叱るしつけ」があります。
子どもが健全に発育するために必要なのが、自己肯定感と自尊感情です。自己肯定感と自尊感情を土台にしつけを行うことで、生きていく力を身に着けられます。自己肯定感と自尊感情と深くかかわっているのが、しつけの手法である「褒める」と「叱る」です。
●褒めるしつけ
褒めるしつけは、やってほしいことや苦手なことに対して「おだてる」のではなく、子ども自身がやりたいと思ってやったことや、やろうとした過程に対して褒めるようにしましょう。結果を褒めるのではなく、過程を認めることが、子どもにとって大きな自信や喜びにつながります。子どもを褒める際には、自分から進んで色々なことに挑戦したいと思えるような褒め方を心がけましょう。
●叱るしつけ
叱るしつけのポイントは「子どもの過程や気持ちを否定する」のではなく、「正しい行動を教える」ことを重視することです。とくに2歳未満の子どもは、「叱られている」という認識を持ちません。そのため、叱れば叱るほど「親がかまってくれる」と認識し、間違った行動を繰り返してしまうことがあります。
2歳以上になると、子どもも叱られていることを理解できるようになります。ただし感情に任せて叱ると「怖い」「怒られた」などの印象しか残らず、何が悪かったのか叱られた原因を理解できないことになります。たとえば友達を叩いてしまったときにも、ただ叩いた事実だけを叱るのではなく「怒ることがあるのは仕方がない」「けれども叩くのは間違っている」と気持ちと行動を分けて、行動の過程のなかの原因をしっかり話し合いをすることが大切です。
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